2010年夏の「つどい」 12会場に奨学生2000人超が参加

 全国の奨学生約2000人が参加した2010年度「高校奨学生のつどい」(11会場)と、大学・専門学校奨学生対象の「山中湖のつどい」が9月6日をもって無事終了しました。

 8月5日から8月21日までの期間は、北海道から沖縄まで全国11会場で「高校奨学生のつどい」が「連帯と感謝と自助自立」をテーマに開催され、参加した遺児高校生は約1,700人にのぼりました。つどいでは、「自分を語ろう(自分史)」で親の喪失体験などを語り合い「つらいのは自分だけじゃない。ひとりぼっちじゃないんだ」と気づき、心の底から語り合える仲間を得ました。「あしながさんからのメッセージ」では、陰ながらそっと支えてくださっている「あしながさん」の“無償の愛”に励まされ、「自分も全力で人生に挑戦していこう」と自助自立を誓いました。

 「高校奨学生のつどい」で高校生のお兄さん・お姉さん役(リーダー)を務めた大学・専門学校奨学生1〜2年生は、その感動を胸に9月1日から開催された「山中湖のつどい」に参加。会場は日本の学生325人(出席率は史上初の高さ)と海外遺児学生13人の熱気に満ち溢れました。

 今年度の「山中湖のつどい」は「新あしなが運動スタートのつどい」と位置づけられ、開会式では玉井会長から「あしなが運動100年構想」が発表されました。世界中から“あしながさん”を募り、「アフリカの遺児を世界各国の大学に留学させる革新的な教育支援システムの構築に挑戦し、世界中の遺児からクリーンなリーダーを育成し、地球上から貧困を削減する。その担い手はキミたちだ」という壮大な構想と期待に、学生たちは目を輝かせ武者震いをしていました。
 2日目は自分史で仲間の絆を深め、3日目の「あしなが運動史」では運動を担ってきた先輩たちの“青春の情熱”を身近に感じました。4日目の「国際デイ」では、日本留学中のエイズ遺児やインド洋大津波遺児らがブースを開いて、日本の学生に自国の文化や会話、ダンスなどを伝授。金木正夫・本会会長代行(米国ハーバード大学医学部准教授)の研究室で学んでいるウガンダマケレレ大学を首席で卒業したウィリングトン医師(遺児)も駆けつけ、貧困に負けずに学問に打ち込んできた自分史やアフリカの医療発展への思いなどを熱く語りました。5日目は青野史寛氏(本会副会長・ソフトバンク㈱人事部長・遺児学生OB)、桂城舞氏(ソフトバンク㈱・遺児学生OG)が、「内に閉じこもりがちな“遺児ガラ”をぶち破って社会に挑戦する勇気を持て」と激励。続いて、小貫大輔東海大学教養学部国際学科准教授が「世界で生きる姿勢」を語りました。

 参加した学生は「自分史」で自己を知り、海外遺児との交流等で世界に視野を拡げました。そして先輩や先生の講演で、不況に負けず自他の幸福のために働く人間となるために大切なことは「WORK HARD」(一生懸命勉強する・働く)であることを深く学んで、来たときよりも数倍の元気を持って9月6日、帰途につきました。

 なお、全国の小中学生遺児を対象とした「家島のつどい」は8月25日から2泊3日で兵庫県立いえしま自然体験センターで開催され、全国から39人が参加しました。