東京・有楽町「あしなが東日本大地震・津波遺児募金」、全国各地でも開始!!

被災した気仙沼市の遺児大学奨学生が現状報告――女優・紺野美沙子さん、さわやか福祉財団理事長・堀田力さん、南アフリカ共和国駐日大使・グロブラーさんらが緊急応援参加

 東日本大地震津波によって親を失った子どもたちを全面的に支援することを決定した第82回あしなが学生募金事務局(海野佑介事務局長=日本大学4年)は、3月23日(水)に神戸・JR元町駅前を皮切りに、3月26日(土)・27日(日)の両日は全国主要11市21拠点で、4月16日(土)・17日(日)・23日(土)・24日(日)の4日間は東北と関東の一部を除いた全都道府県の駅頭・街頭で「あしなが東日本大地震津波遺児募金」を実施します。
 3月26日(土)午前11時から東京・JR有楽町駅前には、女優で国連開発計画親善大使の紺野美沙子さん、ロッキード事件の担当検事として活躍され現在はさわやか福祉財団理事長を務める堀田力さん、南アフリカ共和国駐日大使・グロブラーさんらが緊急応援参加。海野祐介・学生募金事務局長、玉井義臣・あしなが育英会会長、気仙沼市津波の被害に遭った大学奨学生2年生の村上愛子さん、阪神大震災遺児の西山雅樹さん、インド洋大津波遺児であしなが育英会の支援で日本留学中のラフマットさんとミキアル・マウリタさんらが道行く人々に募金へのご理解とご協力を訴えました。
 紺野美沙子さんは「私の母方の祖母は岩手県陸前高田市の出身です。母方の祖父は福島県の出身です。ニュースを見る度に、この方も遠縁じゃないか、親戚じゃないかなって、とても他人事ではありません。でも何よりも心配なのは、お父さんやお母さんと離れ離れになった子どもたちのことです。自然災害や経済的貧しさの影響を一番先に受けるのは子どもや母親、高齢者の方たち、いわゆる社会的に最も弱いといわれる方たちです。そういった方たちの助けに一番必要なのは、現実的にはお金だと思います。そして、それと同じくらい、いや、それ以上に必要なのは、困っている方たちに『寄り添う』ということだと思います。その『寄り添う』という息の長い支援を今、真っ先にできるのはあしなが育英会だと思います」と、遺児ケア活動の大切さと支援を呼びかけました。
 堀田力さんは「子どもたちを今救えるのはみんなの愛情です。愛情がなければ心は凍ったままに過ぎていきます。あしなが育英会は、過去、多くの遺児たちを長い間支え、力づけ、生かし、今日多くの遺児たちが暖かい愛情をもって、今、寒さに凍えている遺児たちのために頑張っています。私たちの未来を担ってくれる遺児たちを、みんなの愛情で育てること、それが今私たちにできることです」と大人の果たす務めを強調しました。
 あしなが育英会が進めているアフリカ遺児支援に対して深い理解を示している南アフリカ共和国駐日グロブラー大使は「南アフリカもレスキュー隊を10日前からから東北全般に派遣し、一生懸命、遺体処理などを含めて救助を行っております。私は、今回のあしなが学生の募金活動に深く賛同しております」と、事務局の学生たちを激励しました。

 被災地の宮城県気仙沼市から急きょ駆け付けた村上愛子さんは「今現在、叔父の家に親戚9人が寄り添って生活していますが、ライフラインが止まっています。食糧が不足しています。寒くても十分に暖をとれません。夜はとても心細いです。倒れたプロパンガスのタンクが突然破裂することがあって危険です。病死した父が在りし日働いていたスーパーも、地域の鎮守の神社も、みな崩れました。子どもたちは多くの死体を見て、とてもひどいショックを受けています…」と、涙をこらえながら被災地の現状を報告しました。
 阪神大震災遺児の西山雅樹さん、インド洋大津波遺児のラフマットさん、ミキアルさんは「世界中には、私たちのような経験をしている遺児が他にも大勢います。夢をあきらめないでください。私たちに手を差し伸べてくださる人々が大勢います。自分はひとりぼっちだと思わないでください。私たちは震災や津波で親を失いましたが、それは、勇気までも失われてしまったということでは決してありません」と、被災地の子どもたちにエールをおくりました。