「第82回あしなが学生募金が東日本大地震・津波遺児を支援」東京でオープニング、明日から全国各地で開始!!

 ―――芸能界より応援団として、<東京>40年来のあしながサポーター桂小金治師匠、宮城県気仙沼市ご出身のマギー審治さん、子どもたちの人気者としてTVでご活躍の佐藤弘道さん(ひろみちおにいさん) <大阪>西川きよしさんが応援参加 TBSニュースNHKニュース共同通信記事

 あしなが育英会から奨学金を受けている災害や病気、自死などで親を亡くした学生たちが中心となって組織する「第82回あしなが学生募金事務局」(海野佑介事務局長=日本大学4年)は、4月15日東京・JR有楽町で、東北と関東の一部を除いた全都道府県200か所で16日(土)・17日(日)・23日(土)・24日(日)の4日間実施する街頭募金の『全国オープニング・セレモニー』を行いました。この募金は、東日本大地震津波によって親を失った子どもたちを全面支援し、3月23日に神戸・JR元町駅前を皮切りに、3月26日(土)・27日(日)の両日は全国主要11市21拠点でも既に開催しています。
 また、本日14日からは、コンビニエンスストアファミリーマート」全国約8200店に設置してある端末“Famiポート”を利用した「Famiポート募金」でも募金ができるようになりました。
 15日(金)午前11時、東京・JR有楽町駅前には芸能界より『応援団』として、40年来のあしながサポーターである桂小金治師匠、宮城県気仙沼市ご出身のマギー審司さん、子どもたちの人気者としてTVでご活躍の佐藤弘道さん(ひろみちおにいさん)が応援参加。海野祐介・学生募金事務局長、岡嶋信治・あしなが育英会顧問、玉井義臣・あしなが育英会会長らも道行く人々に募金へのご理解とご協力を訴えました。
 16日(土)、大阪・なんばの街頭では、阪神大震災遺児の中埜翔太さん(大学2年)らが「東北にもいつでも話を聞いてくれる人がいる場所がいる」と『レインボーハウス』の必要性を訴え、応援に駆けつけた西川きよしさんも「一人ひとりに何かできることがある」と語りかけた。
 また東京セレモニーでは、あしなが育英会「特別一時金」の給付を受けた津波遺児で小学校6年生の男子が亡き父親へあてた『手紙』(下記)を、東北出身の本会大学奨学生が代読しました。今回の震災直後、あしなが育英会はいち早く東日本大地震津波で親を失くした子どもたちへの支援(特別一時金の給付・心のケア)を決めました。4月14日現在、「特別一時金」の申請書の請求があった遺児数は317人にのぼり、今後もこの数が増えていくことは確実です。
 『お父さんへ
 ぼくはお父さんのことが大好きです。
 休みの日は、寝てばかりいるお父さんですが、あまり怒らないのがいいところです。もう一度お父さんが動いたらいいのになあと思います。翼と呼んでもらって、また一緒に遊びたいです。運動会に来てもらって、鼓笛をみてほしかったし、小学校の卒業式や、中学校の入学式にも来て欲しかったです。でも、もうお父さんは動きません。
 ぼくは男の子だから泣きません。今度はぼくがお父さんのかわりにお母さんを守っていきます。だから、お父さんは安心して天国へ行ってください。そして、ぼくとお母さんのことをずっと天国で見守っていてください。お願いします。
 大好きなお父さんへ
』 阿部翼(アベ・ツバサ)11歳 小6(宮城県
 宮城県気仙沼市ご出身で、今回の地震津波でご親族が被災され、お祖母さんや伯母さんを亡くされたマギー審司さんは「作文を聞かせていただいて、本当に気持ちがわかります。『本当に強いな』と思いました。つらい思いをしていても、前向きにがんばれるという東北魂は、本当に今回の震災でとても感じることができました。募金活動をいろんなところで行っていますが、僕のブログとかツイッターを見て芸人さん、俳優さん、タレントさんたちが集まって協力してくれています。そのとき感じたのは『本当にひとりじゃない』ということです。今回被災して、家族を、大事な人を亡くされた方は非常に多いと思いますが、ひとりじゃないです。僕もみんなのことを家族だと思っています。僕以外にもそう思っている人はたくさんいると思います。みんなで力を合わせてがんばっていきたいと思います」と、語りました。
 NHK教育テレビ「おかあさんといっしょ」で、10代目『たいそうのおにいさん』として活躍され、現在も子どもたちに大人気のタレント佐藤弘道さんは「よろこんで今日はこの活動に参加させていただいております。マギーさんを通じて募金活動に参加させていただいていますが、まず思ったことは、日本の方はみなさん一人ひとりが『何かしたい、何かしたい』という気持ちがすごくあるとよく分かりました。できることは小さいかもしれませんけど、被災されているみなさんのために何かできないかなということで、今日もこの場に立たせていただいています。どうかお気持ちで結構ですので、ぜひご協力してくださればと思います。この活動は今日で終わることではなくて、永遠に続くことだと思いますので、ぜひこれからも、長く長くこの活動を続けていけたらなと思います」と、語りました。
 45年前、人気TV番組「アフタヌーンショー」の名司会として、遺児救済の必要性を広く世間に知らしめた、あしなが運動の大功労者・桂小金治さんは「こんなに大きな、悲惨なできごとは、日本の国に起きていいのかと、そう思いました。大自然の強さ、大きさ、それによって人間は萎縮させられます。そして、尊い命を失った人は、今度の被災で1万5千人を超えたそうです。そして亡くなられた方、行方不明になっている方は、1万4千人、被災された方は15万人もいるのだそうです。どうか、温かい、小さな心でいいですから、心を寄せあって被災地のみなさんに私たちの心を届けることによって、被災地のみなさんに奮起していただいて、頑張っていただいて、これからの明るく楽しい人生を築き上げていってほしい。私たちはその小さなひとつの力となって、みなさんの明日を守ることができたら、こんなにうれしいことはないと思います。みなさんのお心をどうぞお寄せくださいますよう、心からお願いをしてご挨拶とさせていただきます」と、道行く方々に訴えました。

 40余年にわたる遺児救済運動の生みの親・岡嶋信治さんは「私の知人も、3人が被災いたしました。岩手の宮古にひとり、仙台においてもふたり、3人とも家を流されました。また、ひとりの方はお母さんを流されて、まったく別れてしまったのであります。みんな家を流されて、残っているものはひとつもありません。みなさん、どうかこの大震災によってお父さんを亡くし、お母さんを亡くした子どもたち、震災遺児にどうか温かい愛の手を、心からよろしくお願いいたします。この日本で、そして世界で、やはり一人ひとりがこの子どもたちに温かい手を差し伸べるべきではないでしょうか」と、語りました。
 あしなが運動の提唱者、玉井義臣・あしなが育英会会長は「先日、津波の現場に行き本当に息をのみました。さまざまな事故、被害を見てまいりましたが、今度の大津波は、何と表現していいかわからないくらい大変なものだと感じました。私たちは、今、例えば0歳1歳の遺児が生まれたとしたら、25年は、きちっと私たちの卒業生の後輩たちで、守ってまいりたいと思います。震災3日目に、日本で初めて遺児に対する生活援助、何に使ってもいい、返さなくてもいい制度を始めました。また、その子どもたちが傷ついた心が癒されるように、16年前の神戸の震災のとき、レインボーハウスという心を癒す施設を作りました。そして東京にも作りました。今度は仙台に作ると同時に、東北の方々が心の癒しを日常的にしていただける、そういう新しい方法で子どもたちが健やかに育つことを願っております。これはまだ実験になるかもしれませんが、今までのケアとは違う、本当に真心のこもったケア活動をいたしたいと思いますので、なにとぞ皆様方も応援していただきたいと思います。これは東北のことでありながら東北のことではない、日本全体のことだと思います。何分、この子どもたちが健やかに育つために、お金も必要ですが、そういう心の応援をお願いいたします」と物心両面の支援を訴えました。
 最後に、あしなが学生募金を代表し、海野佑介事務局長は「東日本大震災は、16年前の阪神・淡路大震災の、約4.5倍もの被害に及んでおります。死者数・行方不明者数は、2万5千人を超え、本当に多くの方々が命を落とされました。はたしてその中に、最愛の我が子を残したままガレキの下敷きとなったお父さん・お母さん、また、津波にのみ込まれていったお父さん・お母さんは、どれだけいるのでしょうか。また、最愛のお父さん・お母さんを失い、悲しみの淵に立たされている子どもたちは、どれだけいるのでしょうか。今の日本では、『自分の家にはお金がないから、自分の家は貧しいから、自分には親がいないから』という理由で、高校進学・大学進学、そして自分の夢をあきらめてしまう子どもたちがたくさんいるのが現状です。私たちは、震災・津波で親をうしなった子どもたちがそのような道へ、貧困に陥ってしまうのではないかと、危惧しております。私たち、あしなが学生募金事務局員もまた、親を病気や災害・自殺によって失った、また、親が重度の後遺障害を負い働くことができなくなった家庭で育った遺児学生たちです。私たちは、原因は様々ですが、親を失った悲しみ、苦しみ、そして痛みを知っています。だからこそ、今回の震災で親をなくしてしまった子どもたちの本当の意味での支えになれると思い、募金を行っております。皆さまの温かいご支援、温かい優しさが震災で親をなくし、家をなくし、すべてを失ってしまった子どもたちの希望の光となります」と協力支援を強く呼びかけました。